フランス系企業の大連欧計設游艇製造有限公司が製造した旅客船がヨーロッパに輸出されるようになったことで、「大連製」がヨーロッパでも名を馳せるようになった。
大連市は開放を機に発足し、発展を遂げた。大連市にとって開放・協力は、都市の遺伝子と発展の根幹であることに変わりはない。ここ10年間、開放により先導的役割を果たすという使命を果敢に引き受け、新たな対外開放のフロンティアの構築に全力を尽くした大連市は、対外開放の環境がより最適化され、開放の分野が日増しに拡大し、開放の活力が引き続き高まっている。
グッドイヤー社のリチャード・クレーマー最高経営責任者兼社長は今年3月に、遼寧省委員会副書記、大連市委員会書記である胡玉亭氏に書簡を送り、新型コロナウイルスの感染拡大下での、大連市委員会と市政府によるグッドイヤー普蘭支社工場の再開支援に感謝の意を表明した。書簡の中で、リチャード氏は「(大連市の)責任を全うし、役割を果たし、一身を捧げるという品格が支援という形で表れており、大連市の良好なビジネス環境を十分に体現している。本当に頭が下がる思いだ。」と述べた。
大連市のビジネス環境は継続的に改善され、開放による誘致力が絶えず高まり、外商投資の誘致が大きく進展した。過去10年間で、大連市に新規された外商投資企業は約3000社、誘致されたフォーチュン500企業は123社、外資導入累計額は119億2700万米ドルに達し、年間平均成長率は9.2%となっている。2021年度には、外資導入実績の年平均伸び率が中国の同種類の都市の中でトップに輝き、2022年度には、記録を更新して20億米ドルの大台を超える見通しだ。
重大プロジェクトにより産業協力の質の向上と実績の増加を促進し、開放のけん引力を発展の原動力に転化させる。日本電産工業団地は大連市の新エネルギー自動車産業チェーンのハイエンド化、クラスター化に拍車をかけている一方、オリックス社本部は外資系の金融・貿易・現代サービス業の集積に向けた企業誘致に努めており、都市機能の国際化レベルを大幅に向上させている。インテルの半導体プロジェクトにより、集積回路産業のクラスター化を達成し、中国の半導体産業チェーンのローカリゼーションに重要な貢献を果たした。2021年末、SKハイニックス社によるインテル事業の一部買収が国の条件付き承認を受け、新しい工場が建設された。生産目標量に達すれば、大連市の集積回路産業の発展が全面的に後押しされることが期待される。トヨタ自動車、三井物産、伊藤忠商事、現代自動車、斗山グループなど、日本と韓国の大手水素エネルギー関連企業が、大連市の水素エネルギー実証プロジェクトへの投資と整備に深く携わっており、大連市の戦略的新興産業のクラスター化を発展させる重要な原動力となっている。
6月に、大窑湾税関の監督の下、7300万元以上の価値を持つ540台の並行輸入車が「ゼロ遅延」通関を実現した。大連通関地が平行車両を大量に輸入したのは今回が今年初めてだ。税関は、対外貿易の安定化維持と品質向上を推し進め、平行輸入車の円滑な通関を確保するため、「平行輸入車ワンストップ通関」「輸入自動車情報化プラットフォーム」などの革新的な管理措置を講じており、新しい措置により、平行輸入車の通関時間が約50%縮まった。
平行車両輸入試行地や越境EC総合試験区が相次いで承認を得たことにより、大連市の対外貿易新業態の加速度的な発展と対外貿易レベルの新たな段階への飛躍につながった。過去10年間、大連市の輸出入総額は一貫して遼寧省全体の60%、東北三省の40%を占めており、輸出市場は200の国と地域に及んでいる。大連市経済への対外貿易の貢献度は絶えず向上し、対外貿易関連企業の数は1万5000社から3万4000社に伸びた。対外貿易の基本構造は、一般貿易を主軸とし、加工貿易と中継貿易が補完的なものとなっている。
ここ10年間で、大連市は相次いで大連長興島経済技術開発区、大連旅順経済技術開発区、大連金普新区、中国(遼寧省)自由貿易試験区大連エリア、中国・日本(大連)地方開発協力実証区などの国家級開放プラットフォームを構築し、開放プラットフォームシステムの新たなパターンが確立された。
開放プラットフォームのレベルが大幅に向上した。国家級経済開発区が3カ所に増え、大連経済技術開発区が「アジア開発区投資価値トップ100」で10位内に入った。大連湾里総合保税区と大窑湾総合保税区は、税関総署の承認を経て正式に運営を開始した。中国(遼寧省)自由貿易試験区大連エリアは、大連市全体の競争力と対外開放レベルを強化するための新しいエンジンとして、2017 年の発足以来、合計460以上の制度的革新成果を挙げ、3つの革新的経験を中国全体で普及させ、2つの国有企業の改革事例を全国の模範例として広め、76の制度的革新経験を遼寧省全体に広めた。
大連欧計設游艇製造有限公司の取締役であるコーネット・スティーブン氏はフランス出身で、2017年に大連市の名誉市民になった。コーネット氏はヨット生産会社を設立し、リチウムイオン電池推進旅客船を開発・生産し、世界初のハイブリッドリチウムイオン電池推進旅客船を建造した。この旅客船はヨーロッパに輸出され、「大連製」がヨーロッパでも知られるようになった。
コーネット氏は拡大し続ける「国際的なチャットグループ」内の一人だ。現時点で、大連市は22カ国の44都市と姉妹都市を結んでおり、24の国と地域出身の155人に大連市名誉市民の称号を授与した。80以上の名誉市民企業による大連市での投資を推し進め、大連市の高水準の対外開放の実現に力強い支援を提供している。