「名誉市民が大連を語る」シリーズ、本日は三菱電機株式会社社長の漆間啓氏を紹介する。
2024年、三菱電機株式会社の社長である漆間氏は、8年ぶりに大連行きの飛行機に搭乗した。機窓から見下ろす見慣れた街並みと港の風景が、漆間氏の心を深く揺さぶった。大連は漆間氏にとって、古い友人のように親しみ深い存在であり、8年ぶりに目の当たりにしたこの都市の驚異的な変貌は、漆間氏の胸を打つとともに、無限の驚きと感動をもたらした。
2024年、漆間啓氏(左)は「大連市名誉市民」の称号を授与された 写真提供:本人
漆間氏と大連との縁は、30年にわたって続いている。1995年、三菱電機本社の経営企画部門に在籍していた漆間氏は、急成長する中国市場を探るために北京や西安など各地を訪問した。初めて大連に訪れた際、開発区では大型ダンプカーが未舗装の道路を行き交い、塵煙が舞うような状況だった。その状況の中で、漆間氏はこの地の未来への潜在的な力を感じた。当時は三菱電機大連機器有限公司(MDI)設立からちょうど一年を迎えた時期であり、それ以来、漆間氏は大連への投資がしっかりと成長し、輝かしく発展していくことを直接目撃することになった。
2006年から2010年まで、漆間氏はMDIの董事長を務めていた。4年の間、漆間氏は渡り鳥のように日本と大連を行き来し、30回以上もこの地を訪れた。日本国外での事業展開の道は決して容易ではなく、数々の挑戦を伴いましたが、困難が立ちはだかるたびに、漆間氏はMDIのメンバーと共に、開発区および大連市の指導者たちと積極的なコミュニケーションをとり、解決に向けて対策を協議した。すべての関係者が心を一つにして取り組んだ結果、一つ一つの課題が着実に解決されていった。「MDI設立当初から、大連市と開発区からの長期にわたる優遇政策と細やかな支援を受け続けてきた。そのおかげで、MDIは安定して成長することができた。」良好なビジネス環境の中で、MDIの事業は中国市場において高い評価を受け、取引規模も拡大し続けた。
現在、MDIは30年の輝かしい歴史を歩み、規模は拡大し続けている。新たに第4工場も建設がはじまり、三菱電機の製品は中国国内市場に供給されるだけでなく、遠く日本や欧州にも届けられ、三菱電機グループのFAシステム事業における重要な海外生産拠点の一つとなっている。
漆間氏の目には、大連は中国東北地区における重要な港湾と物流の拠点であり、現在では物流がますます効率的かつ便利になっているように映っている。そして、大連はサプライヤーが集まり、企業の生産運営においての堅固で利便性のある基盤となっている。同時に、大連の各大学は日本語人材を育成し、日系企業に優秀な人材を絶えず供給し、企業の人材ニーズを確実に対応している。
「私たち三菱電機グループだけでなく、日系企業をはじめとする多くの外資企業が大連で事業を拡大するにあたって、大連市政府は常に全力で支援や協力を惜しまなかった。」と漆間氏は感慨深げに語った。「現在、私たちはDXエンジニアの人材確保に注力している。その過程で、大連市政府が理工系の大学を紹介してくれた。大連市の大学の教育水準には感嘆させられた。このような大連市とは今後とも友好的かつ緊密な関係を築くことを期待している。」
「大連がさらなる発展を遂げ、遼寧省のみならず全中国においてより重要な位置を占めることを心から願っている。今後も三菱電機は大連との協力を深め続け、共に新たな未来へと歩みを進めていく。」と漆間氏は未来への展望を胸に希望を込めて語った。
Copyright ©1997- by CRI Online All rights reserved