神秘的で広大なヤオ族の集落において、漢方薬は貴重な資源と見なされている。
湖南省永州市江華ヤオ族自治県では、ヤオ族の医薬文化の継承と発展において奥深い歴史と文化を持ち、民族特色のある診療方法と処方箋が確立され、地域の高齢者向けサービス体系の構築に貢献している。

薬草を採集中の江華ヤオ族自治県のヤオ族医師 撮影:李芳森
普段は山に薬草を採りに行き、近所の人々を診察、美味しい料理と酒を楽しむ…百歳のヤオ族医師・黄蘭英は休むことなく歩み続け、その生活も幸福感に満ちている。「楽しいと思ったら笑おう!」と、黄蘭英の爽やかな笑い声と共に、この素朴な言葉が「老いを受け入れて人生を豊かにし、社会に貢献する」という理念を真摯に体現している。
この余裕と幸福は、江華が高齢者向けサービス体系の構築に継続的に注力してきた証である。全国で最も多くのヤオ族が居住する自治県として、江華は常に「高齢者の幸福」を民生事業の重要課題に位置付けている。2025年、同県は全国老齢工作作業委員会弁公室より全国「敬老文明号」の称号を与えられた。また同県の沱江鎮陽華コミュニティでは「2025~2026年に全国モデル高齢者フレンドリーコミュニティ」として選ばれている。
さらに特徴として、江華ではヤオ族の医薬文化を健康維持・増進体系に深く融合させている点であり、「ヤオ族地域における高齢者向け健康維持・増進」という新たなモデルを創出した。2023年より、同県民政局は高齢者の慢性疾患管理に効果的に介入するため、江華県民族中医病院と協力し、高齢者施設やコミュニティで定期的に無料診療、マッサージ、フットケア、健康講座などのイベントを実施している。これまでに延べ6,340人にサービスを提供し、高齢者から「身近な健康の守り手」と親しまれている。
この他にも、ヤオ族の医薬文化は健康維持・増進や文化観光などの業態とも深く融合している。現在、江華香草源などの拠点では国家級漢方医薬・ヘルスケア・観光モデル基地の創設を積極的に推進しており、「ヤオ族薬理療法+ヤオ族薬膳」を組み合わせた没入型健康維持・増進ツアープランを展開している。これにより、「ヤオ族地域の風景、ヤオ族の療法体験、ヤオ族の美食」を堪能することが 老後ヘルスの新たなトレンドとなっている。
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