「名誉市民が語る大連」シリーズ。今回ご紹介するのはリョービ株式会社代表取締役会長浦上浩氏。
今年88歳になるリョービ株式会社代表取締役会長の浦上浩氏は、「大連は中国で最も優れた港を有し、中国の対外開放の最前線にある都市です。最近建築工事が開始された金州湾国際空港が大連の国際大都市の構築をさらに後押しするものと信じています」と述べ、更に「双方が今後も引き続き協力していくことを願っております」と大連の発展に期待を示した。
2006年、当時リョービ株式会社の代表取締役社長であった浦上氏は「大連市名誉市民」の称号を授与された。
浦上氏の近影(写真提供:本人)
大連の投資環境が気に入り二次投資を決断
リョービ株式会社は世界一流のアルミダイカストメーカーであり、ゼネラルモーターズ、フォルクスワーゲン、フォードなど世界の大手自動車メーカーのサプライヤー企業でもある。1994年、リョービ株式会社は大連に投資して初の生産拠点である利優比(大連)機器有限公司を設立した。
「当時の大連はすでに建築用品や電動工具を生産製造する産業基盤を備えていましたが、最終的に大連での事業展開を決断するきっかけとなったのは、大連市政府から投資を誘致されたことでした。その際は大連市政府から多大なご支援をいただきました」と語る浦上氏によれば、双方が最初の協力に至った理由は、大連市の良好な産業基盤と大連市政府との友好関係にあるという。
企業の発展とともに、浦上氏の大連への理解も深まっていった。浦上氏は、「大連市政府からのご支援だけでなく、大連市民の皆さんの友好的な態度にも深い感銘を受けました。この沿岸都市は恵まれた自然条件と、新鮮で豊富な海鮮グルメ資源、そして良好な治安環境を持ち、中国駐在員に便利な生活環境を提供しています」と述べた。
大連の良好な投資環境に鑑み、リョービ社は引き続き大連への投資を決断した。2005年、リョービ社は大連に投資して二つ目の生産拠点である利優比圧鋳(大連)有限公司を設立した。
大連と互いに成果を上げ、協力し合う
2010年から2015年にかけて、中国の自動車産業は拡張期に入り、リョービ社傘下のアルミダイカストメーカーも急成長期に入り、毎年2~3倍のペースで生産規模を拡大していった。
当時、企業は早急に生産能力拡大の実現を迫られていたため、リョービ社は一時、生産のボトルネックに見舞われた。その日々は浦上氏に深い印象を残した。同氏によると、企業が苦境から抜け出すことができたのは、当時の大連市の指導者たちからの配慮、そして大連市政府、大連市人民対外友好協会、大連市商務局、大連市金普新区管理委員会、大連市供電局などの機関からの心強い支援のおかげだという。
2023年末、リョービ社の大連にある2つの工場の売上高は12億元を超え、従業員数は1700人を超えた。浦上氏は、「企業が今の業績を成し遂げられたのは、ひとえに大連市政府や各関連機関の関係者の惜しみないご支援とご配慮の賜物です。サプライヤーの開拓と育成を通じて、大連の経済発展を後押しできたことを光栄に思います」と語った。
大連市名誉市民になった後、浦上氏とこの都市との絆はより深まったようだ。彼は大連の教育に投資してリョービ希望小学校を設立し、自身が理事長を務める公益財団法人浦上奨学会を通じて大連大学や大連理工大学、リョービ本社が所在する広島に留学している大連の学生165人に奨学金を給付した。浦上氏は「大連市の人材育成に微力ながら力を尽くしたい」と述べた。
「大連市が今後も発展を続け、中国東北地区随一の国際的な大都市、金融・物流の中心都市になることを心から願っています」と、浦上氏は大連市のますますの発展を期待している。
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